ウンチを差し出す人

ウンチを差し出す人

vol.8

2022/5/26

こんにちは、たっつんです🍄
ぼくの連載は、 ぼくがTwitterに投稿する元ネタを 徒然なるままに書き連ね、 その文章がどのようなツイートに変化したのかを 楽しんで頂くというものです。
今回は、 ウンチを差し出してくる認知症のかたの話です。
【元ネタ】 15年ほど前。現場リーダー時代。 夜勤者からの申し送りで、夜間ウンチを左手に持って 職員詰所までくるNさんの話が出た。
Nさんは認知症で言葉が話せない。 いつもの事らしい。 職員にウンチを差し出して、「ううん、ううん」と取れと言いたそうにされる。 汚いので手袋をして取ろうとすると立腹され、 今度は離そうとされない。 無理にウンチを取って手を洗わせて頂くが、 その際にはかなり抵抗されるので困っているとの事。
どういう状況か確認する為に、夜勤に入る。 2:00頃、詰所にやってくるNさんの影。 やはり左手にウンチを持っており、 ぼくが出迎えると左手を前に突き出して 「ううん、ううん」とされる。 取ってほしいんやろなというのはわかる。
手袋をして受け取りますよとやってみるが、 首を横に振って拒否。渡してくれない。 申し送りの通りの行動。考える。 ふと、Nさんの居室を見に行く。 何かヒントがないか・・・ 持ち込まれた仏壇の扉が半開きになっていた。 居室に入ってくるNさん。
左手を差し出す。手袋で受け取ろうとすると拒否。 ぼくが仏壇を指さすと大きく頷いた。仏壇にヒントがある。
差し出そうとするけど、手袋で受け取ろうとすると拒否。 素手でもらうか・・・ 覚悟を決めて素手で受けてみるとウンチを渡してくれた。 仏壇を指さすと頷くので、ウンチを置いてみた。 笑顔で「うんうん」と満足そう。
答えはウンチを大事な物として仏壇に供えたかったのだ。 Nさんの手を洗い、自分の手を洗い、 Nさんが入眠されてからウンチを取って、 代わりにぼくが持ってたお菓子を供えた。
次の日から、職員で仏壇のお世話をさせて頂き、 常にお供え物をする事でNさんのウンチ運搬はなくなった。
気持ちに寄り添う事の大切さを教わった一件。
【投稿したツイート】 https://twitter.com/tattsun_cw/status/1527401254233702403?s=20&t=x02fWeN49iiEYJrA8NqQ6A

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